Dates Garden Live Report 2014.8

マザファティデーツ, イラン産デーツ

デーツは世界で400種類ほどあると言われています。

 

その中でも有名な品種である、マザファティデーツケルーテデーツザヘディデーツピアロムデーツの農園や農家、工場を怒濤のスケジュールで巡ってきました。

 

 

まず初日に訪れたのがマザファティデーツの産地であるバム地方

 

 

モスタファの親戚で、マザファティデーツの保管庫を経営している方と、もうひとかたは、農家の方です。

 

 

マザファティデーツは水分量が多く、とてもジューシーなデーツです。

 

かなり柔らかく繊細なので、箱詰めも慎重にしなければなりません。

 

理想的には、木から収穫するとすぐその木の下で箱詰めをするのが良いそうです。

 

 

マザファティデーツはアンチバクテリアの性質があります。

 

 

温度にも敏感で、暑すぎても寒すぎても駄目で、保管は0℃がちょうど良いとおっしゃってました。

虫はほとんどつかないみたいです。

 

マザファティデーツ, イラン産デーツ


グレードは、大きさと水分量でABCの3つに分けられるそうです。

 

食べ比べてみましたが、Aはやはりジュワーっとした甘みと食感で抜群に美味しかったです。Bグレードもなかなか、CグレードはAやBと比べるとやはり明らかに劣りました。

 

せっかくなので、高くてもAグレードを取り扱いたいのですが、Aグレードは現地でもかなり希少で、あまり流通もしていないのだそうですが、1トン位なら大丈夫とおっしゃってました。

 

マザファティデーツ, イラン産デーツ

 

次にマザファティデーツの農園を持っているナバスさんファミリーのお宅にお邪魔しました。

 

 

バム地方では写真のように、家にデーツの木が植えてあるのがカルチャーだそうです。

 

 

ナバスさんは、25年前からマザファティデーツを植え始め、収穫できるほどに育つまでに20年近くかかったそうです。

 

 

 

-ストーリー-

 

小さな頃から、ナバスさんの父が農園で働いている姿を見て育ったそうです。

 

その農園はナバスさんの父のものではなく、地主さんに雇われて働いていたのですが、

その頃から、いつか自分の農園を持ちたいと思っていたそうです。

 

大人になり、トラックの運転手やベーカリーなんかをやりながら、少しずつその夢の為にお金を貯めていました。

 

そして、ようやくデーツ農園を始め、今はベーカリーと農園の2本柱で生計を立てています。

 

家族全員で協力して、栽培から収穫までやっているそうです。

 

マザファティデーツ, イラン産デーツ

バム地方では、約12年前に大規模な地震があり、10万人以上がなくなったそうです。

もともと今の家がある場所は、小さな農園だったのですが、地震で前の家が使えなくなったので、その時に新しく建てたのが今住んでいるところだそうです。

 

その時は、かなり大変だったとおっしゃっていました。しかしそれを乗り越え、収穫もできるようになり、今は幸せそうに見えました。

 

 

マザファティデーツは、水分量が多く、糖分も高いので、一番良い品種だとおっしゃってました。

 

でも、イランのデーツの唯一の欠点はブランディングをしていない事

 

 

 

−農園の事−

 

 

デーツの成熟度に関しては、

 

グリーンレッドダーク 

 

と自然に変化していきます。

 

新しい木は、植え替えてもっと育つようにするそうです。

そしてメスの木とオスの木に別れているので、写真の花粉のついている部分を手ではたいて、受粉させるということでした。

 

マザファティデーツ, イラン産デーツ

 

収穫の仕方は、木に登り、実を振り落とします。熟れたデーツはそれで落ちるので、それを収穫するのだそうです。

 

 

農園の主な仕事は、雑草を抜いたり、皮を剥いだり、花粉付けしたり。そして夏は1週間に1回ほどの水やり、冬は2週間に一回程度だそうです。

 

肥料は、牛糞などのナチュラルなものを使っているそうです。

 

 

バム地方から少し離れただけで、気候がぐっと寒くなったりするそうで、マザファティデーツの育成には適さなくなります。

なので、マザファティデーツは基本的にバム地方オンリーなんだそうです。

ケルーテデーツ, イラン産デーツ

 

次の目的地はジロフト地方。そこには、マザファティに似た水分量の多いケルーテデーツと、乾燥度が高いザヘディデーツの産地です。

いくつかの山を超え車を5時間くらい走らせて向かいます。

 

 

その途中の山の上でランチタイム。ペルシャ絨毯をトランクから出し、いい感じの涼しい丘の上で、イランのナンとにんじんジャム、メロンのようなフルーツをいただきます。

このにんじんジャムメロンのようなフルーツが、絶品で、甘さが完全に凝縮され、フレッシュ感も凄かったです。

 

 

 

ランチ後、さらに車を走らせ、水が湧き出ているところがあったので、そこでしばしの休息。

そこには自然にクルミの木がたくさん生えていて、生のクルミも採って食べました。

 

−@ジロフト−

 

そしてようやくジロフトに到着。

 

ジロフトにある、農協の役員の方と待ち合わせをし、彼と一緒に農園に向かいました。

 

 

その農協は、基本的にはすべてのイランの農家の方が所属している、セミガバメント機関です。株主は農家の方々。

 

リタイアした人のサポートの役目を果たしていて、収益の30%年金基金、65%は農家の方へ、5%はランニングコストだそうです。

そこにはリサーチセンターがあり、政府と協力して、最新の情報、より効率的な生産方法などが研究され、それを農家の人たちに発信していくということです。

 

 

ザヘディデーツ, イラン産デーツ

−ザヘディデーツ農園−

 


農家のバフティアさんの農園を訪問しました。

 

ザヘディデーツは木の上で自然に、完全なドライになります。水分量は18%しかない為、冷蔵庫に入れる必要もありません。

 

ジロフトでのみ育つそうです。美しい黄色い実のデーツです。

ケルーテデーツ, イラン産デーツ

−ケルーテデーツ農園−

 

次に、そばにあるケルーテデーツの農園。

 

フィルズさんの農園を訪れました。

 

カラーは明るめのブラウンで、フィルズさんの農園含め、ここ一帯に100ヘクタールの農園が広がっており、1万本以上の木が生えています。

 

水分量はマザファティデーツよりも多く、そして値段はマザファティよりも安いということです。

それはなぜかというと、マザファティの方が甘みがあり、ザヘディは柔らかいので形が崩れやすいからだそうです。

 

ケルーテデーツは、マザファティとは違い、カットして収穫します。

適した気候はドライでホットと少しの水。

 

現地の人は、半分だけ熟されているものが一番うまいと言っていました。

僕たちも試してみましたが、甘さが控えめで、すっきりとしたみずみずしさと、後からくる少しの酸味が特徴。

ワインやお酒の原料としてもいいんじゃないかと思います。

 

ケルーテデーツ, イラン産デーツ

農園の近くには、加工、パッケージング工場と冷蔵倉庫がありました。

 

工場で働くおじさん、イエドロさんと若者、ムサイエさんに案内してもらい、中を見せてもらったのですが、日本製の機械がずらりと並んでおり、近代的な印象でした。

 

ケルーテデーツは冷蔵保管が必須、5℃位がベスト。

 

収穫後は2、3日冷やし、形を整えてからパッケージングをします。

その後、すぐにまた冷蔵倉庫に運び、出荷に備えます。

 

 

ピアロムデーツ, イラン産デーツ, 最高級デーツ

−ピアロムデーツ−

 

そしてデーツ最後の目的地。ピアロムデーツのあるハジアバードへ。 

 

ハジアバードの中でも、ピアロムデーツの最も有名なデヘスタン村に来ました。

884人の村で、山が近く、寒い位で、ピアロムデーツが最も成熟する気候です。

 

モスタファの親戚のムハンマドさんの農園に行きました。

 

 

ピアロムデーツ, イラン産デーツ, 最高級デーツ

−ストーリー−

 

ムハンマドさんは、農園を始めて20年。2人の小さな娘さんがいます。

彼はピアロムデーツの農園だけで生計を立てているそうで、実際にはそれだけでは十分ではないようです。

 

現在は、ローカルトレーダーに売っているだけで、そのトレーダーが都市部のトレーダーに売り、そのトレーダーが世界各国へ輸出しているそうです。

 

代々農園を栽培しているので、仕事はとても好きだと言っていました。

 

旅行や良い生活は望んでおらず、シンプルな生活で良いので、とにかく娘がしっかりと育つだけのお金があれば良いとおっしゃってました。

でも、現実は厳しく、かなり生活にも困窮しているようでした。

 

100ヘクタール以上の農園を持っており、1本につき6−8㎡が必要だそうです。

デヘスタン村のピアロムデーツは、他のエリアのよりも虫がつきにくいというのも特徴だそうです。

 

 

肥料は動物性由来のものを使っています。

 
ピアロムデーツ, イラン産デーツ, 最高級デーツ

2kmずっと農園が続いており、ここでは溝を作って水を流すという伝統的な灌漑農法を使っているそうです。

 

9月の後半からが収穫時期です。

 

ピアロムデーツは木の上で自然にドライになります。

背の高い木であればあるほど、樹齢が長く、木の幹を見れば樹齢がわかるそうです。

ムハンマドさんの農園は80年〜100年位の樹齢で、150年位が寿命であると言っていました。

 

サイズとカラーでグレーディングされ、色が黒いほど、ラグジュアリーで高価だとされています。

 

 

ピアロムデーツは植えてから、収穫できる実がなるようになるまで10−12年かかり、

一本につき75kg〜100kgくらい収穫ができるそうです。

 

それだけの年月がかかるので、農家の方は、ピアロムの木をパートナーのように思っているのだそうです。