Pariz、本格始動

フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク
ハミッドとモスタファと

関空からカタール経由でイラン飛行機。同い年ほどの快活そうな女性が、ぼくの隣に座った。


「カタールまで一人旅ですか?」


「えぇ。スペインまで行くんです。お兄さんも一人で?」

 


そんな感じで話すうちに、彼女も買付に行くんだって。

 

スペインとトルコ。僕はイラン。

 

 

そして、神戸のオシャレなトアロードにお店を持つ彼女。始めて1-2年。僕らと一緒だ。

 

僕らもいくつかトアロードのお店にナッツを卸してる。 その話しをすると、

 

なんと彼女のお店は、オープンの時から僕らのナッツを購入してくれているグラノーラ屋さんの2階にお店があるんだって。 SunSet Moon  チュニジアの青と白のお店。

 

 

美波留さん。一人でやっていてとても強いし、キラキラしていた。人との繋がりでやっている。素晴らしい。

 

 

結構意気投合し、10時間位の飛行機の旅もあっという間に過ぎた。ただ就寝時間になって、彼女がこっちに身を寄せて寝てた時はちょっとドキドキした。

 

 

20時間近くかけてテヘランに到着し、いつも通りホセインがお出迎え。

 

今回は国内線がいっぱいだったので、電車でさらに14時間の旅。

 

 

トレインステーションでは、大勢の人が群がってあーだこーだ言っている。

人ごみをかき分け、ホセインがチケットカウンターで予約してあるNo.を伝えると、

 

Shinnosuke Okamotoの名前では予約されていないという。

 

電車出発まであと45分。ホセインが粘り強く交渉したり、モスタファに電話してチケットを取った旅行代理店に電話したりで、あっと言う間に30分が過ぎた。

 

残り15分というところでようやくチケットが認められ、急いでゲートをくぐり、列車に飛び乗った。ホセインがいなかったら確実に途方に暮れてただろうなと思う。

 

 

案内された席が、女性用6人スリーパー。めったに外国人が来ない国でしかも女性専用車に急にアジアの男が来た事にさぞ驚いたことだろう。

 

 

 もうすでに日本を経ってから24時間が経過していたので、電車が動き出すとすぐに眠りについた。 

ハミッドのスーパーグリーン用のピスタチオ


夜中4時過ぎにシルジャンに着いて、モスタファの家に着いたのは朝の5時。

片道かれこれ40時間。

 

即効でシャワーを浴び、あっという間に寝た。

 

陽が差してパッと起きた。

 

時刻は朝の7時半。もっと寝た気がしたけど、気が張ってか、時差ボケでか意外に眠気もない。

 

そこから中井との会議→ハミッドとのネゴシエーション。

 


今回の主な目的の一つは、ピスタチオローカルトレーダーで僕らのパートナーになりつつあるハミッドが、彼のコネを活かしてフィグをツケで買い、日本にどんどん送って日本市場のシェアを一気に拡大すること。

 

 

モスタファと一緒にハミッドのところへ向かい、ハミッドのピスタチオ加工場にある家で食事をしながら、細かいパートナーシップの協定、今後の動きの作戦会議をした。

 

いまは、ピスタチオスーパーグリーンの時期なので、加工工場に天日干しされたピスタチオがずらっと並ぶ。


試しにスーパーグリーンもやってみようということになり、余り少なすぎてもあれなので、とりあえず100kgは渡してくれることになった。

 

シルジャン重機ディーラー
シルジャン重機ディーラー


 ハミッドとはパートナーシップも合意でき、早速明日から動き出すことになった。

 

 

午後には第二の目的、重機の輸出。ピスタチオ農園が一面に広がるシルジャン。その郊外にはイランの経済の柱である鉄鉱山がそびえ、巨大なビジネスが動いている。

 

モスタファ一家の多くも鉱山関係者が多く、色んなツテがある。

 

そこに中古の重機をはめようという訳だ。

 

 

いくつかもうすでにモスタファがリサーチ済で、その一つのシルジャンの重機ディーラーに向かう。

そこには10台ほどの大小様々な重機が並んでいた。

日本で有名なのはコマツ、でもキャタピラーが一番だそうだ。


売れ筋や、需要のあるモデルをざっと列挙してもらい、まずは僕らが独自に輸入して買い取ってもらい、その後はディーラーのお客さんにデポを先に売ってもらう制度で行こうという風になった。


経験上、イランでは(どこでもかもしれないが)一度取引を成立させたら対応がガラッと変わる。重機もとにかく早い段階で一通りやってしまうとあとは、向こうから寄ってくる状況ができてくると思う。その段階まで早くいかないと。


フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク

 

 次の日、モスタファの知り合いのフィグ農園に車で4時間かけて行った。キールというところ。

行く途中、車の中で、愛について、哲学について、人種の優位性について、歴史について、過去の帝国、どこが世界を支配してたかについて話した。

 

 

キールはイランで一番大きかった湖に面していて、すぐ横に何十キロにも渡ってゆるやかな山が斜面をなしている。そこに段々畑風に、フィグの木がずらーっと並んでいる。

 

キールにあるカナキル村。その山の段々畑を、車一台通れるくらいの小道を上へ上へ。アバズさんファミリーが休憩小屋に座っていた。そして僕らを歓迎してくれた。

 

アバズさんファミリーはひいおじいちゃんの時からずっとここでフィグを栽培している。フィグ農家は大好き。斜面を耕すのには苦労するし、オスの木の実をうまく用意するのも難しいけれど。

アバズさんの農園は7ヘクタールあり、30ー50トン取れる。かなりの量だと思う。そして木も大きく灌漑もしているので、グレードの高いものが良く取れる。101,AAA,パラック。

 

1本の木でも、1回目の収穫、2回目、3回目と段階を踏んで徐々に収穫していく。木を振って落ちたものを収穫するのが伝統的なやり方。

3回目の収穫の方が明るい色が多いんだそう。剪定の効果のようなもの。

 

昔は10Mに1本の間隔で植えられたけど、今は水で不足もあって、水が行き渡らないので今は6M間隔で植えられている。そばのイラン最大の湖は、今は完全に干涸び、乾いた土が延々と続いているだけ。

 

その他にもいくつかの農家の人を紹介してもらい、品質や値段などを聞いて回った。

帰りにエスタハバーンに寄り、以前から取引のあるトレーダーともあって、今年の収穫状況や、品質、値段なんかも聞いた。

 

今年は全体的に収穫はそれほど良くなく、値段も高止まりしている。



フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク


 

次の日の朝、モスタファファーザーと一緒に、ピスタチオガーデンに行った。特に収穫前には、ドラッグ中毒の人に農園を荒らされないよう夜通し見張り番をつけて、毎日行っている。


そして、ファーザーと一緒にピスタチオの木を見て回った。ある木のところで足を止め、地面を手で触って「シーラ」と言った。地面が乾いていた。そしてはっぱの裏を見ると黄色い花粉みたいなのが付いていて、「良くない」と言った。これはペストの一種でダメージを与えるみたい。


ピスタチオ農園にある手作りの蔵は涼しかった。何も無いシンプルな造り。そこでティーを入れて飲み、将来の連れ添いがこんなところで暮らすことを受け入れるかどうかの話しになった。


帰りに、シルジャンカスタムで重機の規制について質問しに行った。


12時に閉まるので、10分前に滑り込みセーフ。最初15分位はカスタムの人の雑談していた。本題の重機の輸入関連の話しする前に、どんどん人が帰っていった。+ 何しゃべってるのかわからん状態が続き、急に「日本はどう?」って聞かれて、笑われた。なんやよーわからんし、とりあえず本題に入ったらって言った。


帰りに、僕の態度が悪かったやら、イランのコネクションを作る文化を分かってないとかゆーてきたから、そういうのはわかってる旨と、それにしても12時に閉まるゆーことで、急いで行って人々帰っていってるから本題に入るようにせかしただけの旨、こっちはそっちのけでなんか知らんけど笑われたりしてそういうのが失礼な事、などでえらい口論になった。



フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク


こんな口論は日常茶飯事なので、お互い頭を冷やして昼寝した後、夕方パリズの重機リペアマンに会いに行った。


彼は独立して4年。それまでは一番大きな鉱山会社で長年働いていた。今はドバイから輸入し、修理して昔のツテを通りて何千万もする重機を売ったりして生計を立てている。

彼と組んでやっていきたい旨を伝え、これから具体的に詰めていくことを確認して別れた。



次の日、ハミッドとフィグの農園兼ブローカーをしている モルバリッドエリアのハージ(モルバリッドハージ)がモスタファの家に来て、実際にどう動いていくか話し合った。

将来的な量や、今回確保できる量、価格、時期、etc. そしてイランのフィグマーケットの仕組みや、日本マーケットの現状、価格や量など。


そしてハミッドの最新ランドクルーザーに乗ってモルバリッドを目指す。いつ崖崩れしてもおかしくない幾多の絶壁を超え、片道3時間半の旅。

モルバリッドに行く時はいつも、車が崖から落ちた時を想定して、すぐに飛び降りれる心構えをしている。


モルバリッドはキールより木が小さい。それは土地と気候によるもの。黄色い葉っぱも多い。

フィグは他の植物やフルーツと違って夏の間ずっと実をつける。だからエナジーが奪われる。ここモルバリッドでも、大気汚染なんかで環境が良くないのも原因。結果として、実が小さくなる。


モルバリッドハージファミリーの父はグレープしてたけど、35年前にフィグにシフトした。グレープの生産性はあんまり良くないし。

この土地は100年前からグレープを栽培していて、40年前からフィグにシフトした。


モルバリッドハージとハミッドが家族、親戚、他の農家の繋がりの人たちと交渉していたが、結局はうまくまとまらなかった。

フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク
ゴールデンフィグCEOと


フィグに関してはハミッドとのコネは諦め、モスタファとエスタハバーンに再び行く。

エスタハバーンで一番古い会社で、フィグの規格を作ったゴールデンフィグへ。


最初はマーケットリサーチの為に行ったのだが、そこのCEOとパートナーとして出来ないかという話しになった。

彼らとしても日本のマーケットは開拓できておらず、僕らと一緒に組むことで日本の市場に入り込む足がかりとなるということで、ゴールデンフィグの日本の総代理店としてやってこうという大枠で合意。


その後何日かの交渉を経て、日本の展示会にも共同で参加するということで契約を交わした。

これによって安定的にフィグを輸入できる足場が固まった。基本的には日本に輸入してからの支払がokということで、1コンテナ用意する為の一千万円超のお金も必要なくなることになる。


CEOのジャラリさんは、シーラーズの大学院でエグセクティブMBAを教えている。道徳観を大切にするというポリシーを持つ。

なので、フィグに関してはあとは日本のお客さんとどう折り合いをつけていくかという部分だけ。



フィグ, ドライイチジク, イラン産フィグ, イラン産ドライイチジク
ハミッド邸

ローカルトレーダーとして成功したハミッドとはピスタチオに絞る事に。


シルジャンシティーの中心に建つ、ハミッドの自宅兼オフィスのビルの最上階で夕食に招待された。

シーバスリーガルも用意してくれ、飲みながら近い将来について語り合った。

ハミッドは去年のピスタチオターンオーバーは400トン、$4mil


1、2年ちゃんとやったらシルジャンで一等になれる。日本のマーケットで、ピスタチオ500トンはいきたい。

ハミッド的には、今でも十分リッチなのだけど、チャレンジしたい。4thを信頼して。常時1コンテナは日本の倉庫に置いておいて、とにかく大きな量動かす。


ピスタチオに関しても、後は4thがどう動いていくかにかかっている状況になった。


重機も、パリズリペアマンを日本に招待して、実際に買い付けてもらうというのが大方の道筋。日本サイドは重機のコネクションも十分なので、後は具体的に詰めていくだけ。


そんなこんなで、このビジネスを始めて1年が経ち、輸入、輸出ともにかなり強い基礎はできたように思う。その土台を活かしてどう作戦を練って、行動に移し、具現化していくか。


テヘランに戻り、最後にホセインとキャビアのビジネスについて話し合った。かなり細かな部分までリサーチしてくれており、キャビアに関しても値段を出してもらって日本の顧客に打診し合意出来次第GO.


さぁ4thのビジネスも第二ステージへ。本番が始まる。